レオパレスに住んでます

 今をときめく、レオパレスの住人です。レオパレスと一口に言ってもさまざまなタイプの間取りがあるようで、私の住むのはロフト付きの物件。しかしこのロフト、そこで寝ることを想定しているとすれば、夏場などは不可能だろう。熱がこもる。熱い。蒸し風呂だ。

  幸い違法建築ではなかったのですが、今話題の違法建築物件は例えば天井裏に部屋と部屋を区切る「界壁」がないなどの問題があるといいます。何を意味しているのかというと、火災が発生した際に、火のまわりが早いなどの事態が想定されるようです。怖いですね。人の命より金を優先するのですから、はっきり言って会社の契約物件でほかに選択の余地があるのであれば、何も好んで住もうとは思いません。

 隣人のいびきが聞こえる、キッチンが狭い、設置された家電がチープなど気になるところが多いレオパレス物件ですが、何が嫌だって、狭さとかチープさではなくて、「どうせ独り暮らしだろう」「どうせ料理なんかせんだろう」「どうせ帰って寝るだけだろう」との設計側の思想がひしひしと感じられるところが嫌なのです。狭いのは別にいい。家電がチープでもいいのですが、住人に安らぎを与えようという思想が皆無。そうした姿勢が人命軽視ともいえる建築基準法違反につながっているのだと思います。

 私はその反社会的ともいえる思想に抗って、極力自炊するようにしています。しかし、自炊するまでの準備が大変でした。まず、「湯を温める程度だろう」と高をくくって設置されたと感じる電熱ヒーター。これが使えない。なので、卓上IHヒーターに換えました。IHヒーターを既存のヒーターの上に置いて使っています。ただ、卓上IHはビルトインと比べ火力が弱いようで、使い勝手はよくない。湯を沸かす時はティファールの電気ポットの方が断然早い。

 IHヒーターは1口なので、料理の幅がぐっと限定されてしまいます。仕方がないので汁もの、味噌汁やスープの自作は諦めて、メーン料理を1つ作ることに集中します。ご飯は冷凍したものをレンチン。炊飯器が台所に置けないのでやむを得ず部屋で炊いているので、毎回炊くのは気が進みません。一気に3合炊いてラップで冷凍保存しておきます。IHヒーターの真横がシンクになっていますので、食材を切る場所がない(!)最初、ものすごく途方に暮れました。だって、料理しようにも食材を切るスペースがないんですよ。そこで仕方なく、折りたたみデスクを設置して、食材を切る時はそのデスクを開いて、その上で切っています。食器置き場もなく、幅20㎝、高さ140㎝のアルミラックをコンロの反対側に設置して、そこに食器や調味料を一式置いています。コンロとラックの間は人1人立つのがやっとですけどね。加えて、100均で突っ張りのメッシュラックをシンク横に据え付け、U字フックでまな板や料理器具を吊り下げています。超狭いシンクでの食器洗いがいちばん大変な作業なのかもしれませんね。

 キッチンとは言えないところで料理を作るのはホント骨が折れます。でも、先のような人よりカネが大切というコンセプトのアパートに住んでいますと、そこで弁当やカップラーメンに甘んじてしまえば、レオパレスの思う壺のような気がするんですよ。だってそういう食事パターンを想定したキッチンの構成なのですから。もう、そのような非人道的な思想には「No」を突き付けないといけない。迎合した瞬間に彼らの思想の奴隷に成り下がるのです。冗談じゃあないよ。